こだわり /
旨味、ここに極まる
素材から製造まで、一つひとつに真心を込めたこだわりの物語をご紹介します
なぜ、私たちはここまで素材と製法にこだわるのか。それは、伊勢志摩の豊かな自然の恵みへの感謝と、お客様に本物の感動を届けたいという情熱があるからです。私たちの揺るぎない信念と、その裏側にある物語をご紹介します。
Raw Materials
原材料へのこだわり
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No.1
伊勢志摩産
サバの冷燻製
Smoked Mackerel
私たちが選ぶのは、伊勢志摩の豊かな海流の中で育ち、身にたっぷりと上質な脂を蓄えた「真サバ」のみ。毎朝市場に赴き、長年の経験で培った目利きで、その日に水揚げされた中から最も鮮度が良く、脂乗りの良い個体を厳選します。皮目の輝き、身の張り、エラの鮮やかな色。全てを見極め、最高の状態のサバだけが、私たちの工房へ運ばれることを許されます。この素材選びにおける一切の妥協のなさが、魚寅の味の第一歩です。
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No.2
伊勢志摩産
真鯛の冷燻製
Smoked Red Seabream
「祝い魚」の王様、真鯛。その名にふさわしい、姿、色、味の三拍子が揃った天然真鯛だけを厳選します。特に、燻製にした際に身が美しく映える、鮮やかな桜色の個体にこだわります。伊勢志摩の急な海流で揉まれて育った真鯛は、身が引き締まり、噛むほどに上品な甘みが広がります。ハレの日の食卓を飾るにふさわしい、見た目の華やかさと、それに負けない格調高い味わい。その両方を満たす、選りすぐりの真鯛だけが原料となることをお約束します。
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No.3
伊勢志摩産
サワラの冷燻製
Smoked Spanish Mackerel
春の魚と書くサワラですが、私たちが使用するのは伊勢志摩の冬の味覚の王様「寒鰆」です。この時期のサワラは、産卵を控え、身に上品な脂をたっぷりと蓄えています。淡白でありながら奥深い甘みを持つ、きめ細やかな身質は、冷燻製にすることでその真価を最大限に発揮します。数あるサワラの中から、脂の乗り具合と身の締まりが完璧なバランスのものだけを見極める。この厳しい選別こそが、生ハムにも似た極上の食感を生み出す秘訣なのです。
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No.4
岩手県産
桜マスの冷燻製
Smoked Cherry Salmon
岩手県産の桜マスです。清らかな雪解け水が流れ込む川で育つその身は、きめが細かく、とろけるような上質な脂の甘みが特徴。サーモンとは一線を画す、その繊細で気品のある風味は、他の魚では決して代替できません。春の短い期間しか味わえない「幻の美味」だからこそ、その中でも最高品質のものだけを生産者から直接仕入れています。この希少な出会いに感謝し、敬意を払って製品にしています。
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No.5
鳥羽浦産
鰆のコラトゥーラ
(魚醤油)Spanish Mackerel Fish Sauce "Colatura"
原材料は、伊勢志摩産の新鮮なサワラと、伝統製法で作られた塩のみ。これ以上ないほどシンプルだからこそ、一切のごまかしが利きません。私たちは、鮮度抜群のサワラの内臓などを丁寧に取り除き、最も旨味の強い部分だけを使用します。そして、ミネラルを豊富に含んだ塩が、サワラの持つポテンシャルを最大限に引き出し、長い時間をかけて極上の旨味成分へと変化させていくのです。余計なものは加えない。素材の力と、時の流れを信じる。それが私たちの答えです。
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No.6
伊勢志摩産
牡蠣の燻製
オリーブオイル漬けSmoked Oyster in Olive Oil
伊勢志摩の栄養豊富な海で育まれた、大粒の真牡蠣。オイル漬けにした際に、その旨味と食感を最大限に楽しめるよう、特に身がぷっくりと厚く、クリーミーな個体だけを厳選します。そして、もう一つの主役が、牡蠣の繊細な風味を活かすエキストラバージンオリーブオイル。数種類の中から選び抜いた、フルーティーで香り高いオイルが、牡蠣の旨味を優しく包み込み、極上のマリアージュを生み出します。最高の牡蠣と最高のオイル、二つの素材へのこだわりがこの一瓶に凝縮されています。
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No.7
伊勢志摩産
牡蠣の燻製
(スモーク)Smoked Oyster
牡蠣そのものの味で勝負するスモークだからこそ、素材の選別はより一層厳しくなります。私たちが求めるのは、伊勢志摩の海の中でも特に潮の流れが速い場所で育った、身の締まった牡蠣。噛みしめるほどに凝縮された旨味と、ほのかな磯の香りが溢れ出す、力強い味わいを持つ個体だけを選び抜きます。一粒で完結する美味しさ。そのために、私たちは一粒一粒の牡蠣が持つポテンシャルを極限まで見極め、最高の珍味へと昇華させる原石だけを工房に迎え入れます。
Production Method
製造方法のこだわり
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伊勢志摩の恵み、その一級品を
私たちのものづくりの原点は、地元・伊勢志摩の豊かな海。この地で獲れる最高の恵みを使い、お客様にお届けすること。それが私たちの揺るぎない約束であり、誇りです。
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鮮度が命、職人の目利き
養殖魚は生産者と連携し、餌からこだわった最良の個体を仕入れます。魚種ごとに最適な「本物」を選ぶこと、それが私たちの味の土台です。%にキープします。素材が持つ栄養と風味を損なうことなく、一粒一粒に生きた栄養を閉じ込めます。
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旨味を覚醒させる、熟成の魔法
燻製の前に、振り塩をしてじっくりと寝かせる「熟成」を行います。この一手間が余分な水分を抜き、魚本来の旨味を極限まで凝縮させます。
cola
鳥羽浦産
鰆のコラトゥーラの こだわり
速醸法という宇多川先生考案の特製法
速醸法の特徴(宇多川先生の研究に基づく)
- 高温無塩発酵(約55℃)により、雑菌の繁殖を抑えつつ、魚の自己酵素を活性化
- わずか24時間〜72時間で発酵完了し、従来の数ヶ月〜1年の発酵期間を大幅短縮
- 塩分控えめ・臭みが少ない・旨味成分(グルタミン酸など)が豊富
- 製造器具も衛生的・科学的に設計され、食品安全性と再現性が高い
- 多品種の魚に対応可能(サバ・ブリ・メギス・アユなど)
この製法は、地域の漁業副産物(内臓など)を有効活用し、SDGsにも貢献する技術として高く評価されています。実際、宇多川先生は「農芸化学技術賞」なども受賞されています。
鳥羽での導入の意義
この速醸法を鳥羽に導入されたことは、
- 地元の漁業資源(トロサワラなど)の高付加価値化
- 廃棄部位の有効活用による食品ロス削減
- 科学的・衛生的な製造による信頼性の向上
という点で、まさに「地域 × 技術 × 持続可能性」の好例です。
鳥羽発・科学で磨かれた伝統の味
かつて"魚醤"は時間と塩で自然に任せて発酵させるものでした。けれど、私たちはその常識をひっくり返す「速醸法」と出会いました。福井県立大学の宇多川隆教授により確立されたこの技術は、魚の自己酵素の力を最大限に引き出し、わずか1~3日で発酵を完了させるという革命的な手法。
この製法に惚れ込み、私たちは鳥羽の地に導入を決意。宇多川先生自ら鳥羽に来てくださり、器具の設計から衛生管理まで手取り足取りご指導いただきました。こうして生まれたのが、従来の魚醤とは一線を画す、低塩・旨味濃厚・クセのない「新しい魚醤」です。
※指導時の写真もございます。
地元の魚に新たな命を
この速醸魚醤は、鳥羽で水揚げされる未利用魚や加工副産物を有効活用。SDGsが叫ばれる今、廃棄されていた命に、味としての価値を吹き込む――それが私たちの挑戦です。
魚醤はただの調味料ではありません。
それは、科学と伝統が出会った証。
それは、人と海と技術が織りなす物語。
Production Process
こだわりの製造工程
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01養殖場で餌にこだわって脂がのってる魚を作る
契約養殖場と連携し、脂乗りが最高潮に達するよう独自に配合した特別な餌で育て上げます。自然の旬に頼るのではなく、最高の「美味しい旬」を人の手で創り出すこと。それが私たちのものづくりの第一歩です。
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02一番美味しい状態で成長した真鯛を漁獲
脂乗りが最高潮に達した魚を、ストレスを与えないよう丁寧に漁獲します。最高の状態で育った魚だけが、次の工程へと進むことを許される。その見極めが、味の決め手となります。
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03下処理(3枚に卸すなど)して冷凍保存
漁獲した魚は、直ちに工房へと運び、熟練の技術で素早く三枚におろします。その後、品質を維持するために冷凍保存。この迅速な処理が、獲れたての鮮度と旨味を完璧に保つ秘訣です。
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04解凍して燻製の下処理(熟成させる)で、ふり塩を当てて、寝かして熟成させる
解凍した魚の身に、絶妙な塩梅で「振り塩」を施し、じっくりと寝かせます。この「熟成」という伝統的なひと手間が、真鯛の旨味を最大限に引き出し、味の核を創り上げます。
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05燻製を行う
熟成を終えた魚は、いよいよ燻製の工程へ。低温でじっくり燻す特許「冷燻法」により、素材の良さを活かしたまま、上品な燻香だけを纏わせます。こうして唯一無二の逸品が完成します。
The delicious point
美味しさのポイント
作り手の哲学が、一食の感動に変わる。
私たちの製品の美味しさの源泉は、「伊勢志摩の最高の素材」「特許技術に裏付けされた製法」、そして何より「作り手の揺るぎない哲学」です。単なる食品ではなく、一つの作品として、お客様の心に響く感動をお届けしたい。その想いが、ごまかしのない素材選びと、手間を惜しまない誠実な製法に繋がり、他では決して味わえない、記憶に残る美味しさを生み出しています。